相続の手続きと流れ

相続について

相続とは

相続とは、個人が亡くなられた時に、その人(被相続人)の財産的地位を、親族等の相続人に承継させることを言います。相続は被相続人の所有していた財産の「全部」を引き継ぐものとされ、財産の「一部」を相続することはできません。

相続人とは

相続をする人=財産を承継する人=相続人には、次のような順位があります。故人の遺言状がない場合、この順位に添って遺産が相続されます。

  1. 被相続人(死亡した人)の配偶者
  2. 配偶者とともに相続人になる人の順序
    1. 父母
    2. 祖父母
    3. 兄弟姉妹
    4. 甥・姪

相続税とは

相続税は、個人が被相続人から相続などによって財産を承継取得した場合、取得した財産に課される税金です。
相続税の申告が必要となる場合には、被相続人の亡くなった日の翌日から10か月以内に、被相続人の住所地を所轄する税務署に相続税の申告書を提出しなければなりません。

生前相続とは

生前相続は「贈与」といわれ、個人が亡くなる前に親族等の相続人に財産を継承させること(贈与)をいいます。原則贈与には、亡くなられてからの「相続」に比較して高い税率が課せられており、贈与を実行する場合には、いかに税金を抑えるかがポイントになってくるでしょう。

「相続」の流れ 

「相続」の流れ

相続が発生してからの流れを以下にご説明します。

相続人の死亡=相続の開始
遺言書の確認
遺言書が無い
法定相続人が相続人となる
遺言書が有る
遺言に指定された人が相続する
相続遺産の目録作成
遺産分割協議(遺言書が有れば不要)
合意
合意できない
調停・審判
遺産分割協議書作成(遺言書が有れば不要)
相続税の計算
相続税の申告納付

期限内にやるべきこと

項目期限提出先等備考
死亡届 死亡後7日以内 自治体  
相続放棄 3ヶ月以内 家庭裁判所 相続人全員で行う必要がある
限定承認 3ヶ月以内 家庭裁判所  
所得税準確定申告 4ヶ月以内 所轄の税務署  
相続税の申告 10ヶ月以内 所轄の税務署 相続人全員が行う必要がある
相続税の納付 10ヶ月以内 所轄の税務署 現金納付・物納・延納
遺留分の減殺請求 1年 減殺請求の相手先  

相続財産について

相続財産とは

財産には、相続税がかかるものとかからないものがあります。個別の詳細なケースについては専門家にご相談されるのが安心ですが、おおまかな規定をご紹介します。下記の条件を満たす財産が相続財産です。

  1. 相続や遺贈によって取得した財産
  2. 亡くなる前3年以内に贈与された財産
  3. 相続時精算課税の適用を受ける贈与財産

財産の具体的な内容は、下記のようなものとなります。

【プラスの財産】

  • 不動産
    土地・建物
  • 不動産上の権利
    借地権・地上権・定期借地権など
  • 金融資産
    退職金や生命保険金などの現金・預貯金・有価証券・小切手・株式・ゴルフ会員権・国債・社債・債権・貸付金・売掛金・手形債権など
  • 動産
    車・家財・骨董品・宝石・貴金属など
  • その他
    著作権・特許権など

上記は正の遺産ですが、借金など、負の遺産、すなわちマイナスの財産もあります。相続では、財産の全部を承継または拒否しなければなりませんので、相続する財産のプラスとマイナスのどちらが上回るかは大切な問題です。

【マイナスの財産】

  • 借入金
  • 公租公課(未払いの税金)
  • 保証債務(主たる債務者が弁済不能な場合に限る)
  • 未払金(医療費・利息等も含む)

相続税がかからない財産

相続において「財産」とみなされず、相続税がかからない財産もあります。多くの人に関わりのある主なものは下記のとおりです。

  • 財産分与請求権
  • 生活保護受給権
  • 障害年金受給権
  • 身元保証債務
  • 扶養請求権
  • 墓地、霊廟、仏壇・仏具、神具など祭祀に関するもの

など